もんず-散文-2017年の春のご挨拶

2017年4月20日散文

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2017年の春

2017(平成29)年の今年の3月と4月の上旬は、こちら静岡県東部地方の富士市近辺は、寒くて雨が多い日々でした。

4月上旬の終わりころから晴れの日が多くなりましたが、全国的にみると北海道は冬のような積雪や暴風があったり、群馬や長野や山梨は真夏のような暑さとなったり、気候の変動が激しかったです。

富士市辺りでも、昼は日差しが暑いほどになったり、風が強かったり、朝晩は冷えたり、急に雨が降ったり大変でした。

桜の開花と満開

桜の開花が、静岡県東部では近隣の山梨県や東京都などより だいぶ遅く、4月初旬の終わりころからで、満開は中旬でした。

鹿児島などでも、だいぶ遅かったようです。

富士宮の田貫湖付近は、4月19日ころ満開となりました。

風がときどき強く吹くので、桜ふぶきがもったいなくも綺麗です。

春爛漫(はるらんまん)

しかし何はともあれ、ようやくポカすず春らしくなって気候も穏やかになり、活動的になってきました。

気候の変動などで体が不調になったりイライラ落ち着かないことがありながらも、うきうき・わくわく・そわそわと体も心も動き出したくなります。

今年も何とかやっていけそうです。がんばりながらも自然にまかせて。皆様も、いろいろある中でも、それなりに お元気でお過ごしください。

もんず(散文)

中司和正 作

「寒いなー」と洋平。
「そうね、風が冷たい」と祐子。
「この前、春みたいだったけど…」
「一雨ごとに暖かくっていうけど、今日も寒いね」

「最近、雨多いよな」
「うん。三寒四温かな」
「雨水っていってさ」
「うすい?」
「俺もよくわかんないんだけど、雪や氷が溶け始めるとかなんとか」
「でも、まだ五寒二温くらいだよね」
「あったかい日もあるから、余計に寒く感じる」

運河づたいの道を歩きながら、でも道沿いの桜の並木には、
ふくらみ始めているつぼみがちらほら。

「もう3月かー」と洋平。
「もう少しよ春」
「ほら、つぼみ出てる」と祐子。

「うん」
「いいね」

「なにがー?」
「だんだん変わってくじゃん、つぼみって」

「あー」
「早くあったかくなんないかなー」
「いつもこんな寒かったっけ」

「忘れた」
「桜っていつごろだっけ」

「春休みって感じじゃない?」
「でもさ。去年は相当おそかったよね」

「入学式のころ、やっと咲いたような気がする」

びゅーーざざーっと、川面を渡ってきた風が、並木を揺らして吹き抜ける。
日差しは暖かいが、風はまだ冷たい。

「あれ?」と祐子。
「なに?」と洋平。

「ね、あそこ」
「・・・なんか動いてるよ」

「どこ?」
祐子は川の方を見ている。

「あそこ、動いてるじゃない」と、向こう岸まで50mほどはある運河
の中程を指さしながら、祐子が言う。
「ちょっと待って・・・光ってる」

「ほんとだ」
「何だろ」洋平がしばらく見ている。
「誰か・・・潜ってるみたいだな」

「えー、こんな寒いのに?」
「何やってんだろ」

「光ってるよ?」
「ライトかな」
「あ、上がってきた」

水中メガネとシュノーケルを付けた頭が川面に浮かぶ。
二人が、じっと見ていると、向こうも気づいたらしく、こっちの方を見る。
そして、こちらに向かって泳ぎ出す。

「こっちへくるよ」
「誰だろ」

人影が川岸に泳ぎ着き、コンクリートの段になっている所に
上り水中メガネを外す。

「なんだ浩じゃない」と祐子。
「よお」と浩。
「何やってんだ」と洋平。
「寒くないの」と祐子。

「ちょっとね・・・」
「うー、寒」と浩。

「寒そう」と祐子。
「なにやってんだよ」と洋平。

「待てよ。いま足ヒレを外すから」と浩。

浩が足ヒレを外し、段の所から二人のいる道に上がってくる。
ウエットスーツから水がしたたり落ちる。

「ちょっと待って。車に着替え置いてあるから」

並木の奥にある公園の前に駐車場がある。
3人で車の所まで歩いていく。

「どこで着替えるの?」と祐子。
「あそこ」と浩が公衆トイレを指さす。
「ああ、あそこ最近できたばかりで、きれいだよな」と洋平。

「そうそう」
「ちょっと待ってて」と着替えのバッグを持って浩が歩いていく。

「何してたんだろ?」と祐子。
「分かんないな」と洋平。

また、冷たい風が川面からビューと吹き抜け、木々の枝を揺らす。

「寒いー」
「車に入らせてもらおうよ」

二人は浩の車に乗り込む。

「あ、来た」と祐子。

浩がやってきて、荷物を車のハッチバックに入れ
自分も乗り込む。

「寒いな」と浩。

「何やってんだよ」と洋平。
「仕事」と浩。

「仕事?」
「そうそう」
「何の?」
「いろいろあってね」
「いろいろ?」

「卒業したし」
「卒業?」
「会社」
「辞めたのか?」

「まあね」
「まあねって。じゃ、いま何してんの?」
「だから仕事」
「だから何の?」
「自由業」

「自由業って・・・働いてないの?」
「フリーター」
「プーかよ」

「バイトでさ、集めてんだよ」
「集めてる?」
「ちょっと待って」

浩が車を降りて、ハッチバックから
魚釣りのクーラーケースを持ってくる。

「これだよ」と浩。
「何これ」と祐子。
「貝」

「これカワニナとかいう貝だよね」
「似てるけど、違うんだ」
「そう? カワニナじゃない? これ」

「先がちょっと黄色いだろ」
「そういえば、そうね」

「もんず、っていうらしいんだ」と浩。
「もんず?」と祐子。

「そういえば、おまえ、さっき何かぶら下げてたよな」と洋平。
「そうそう。あの袋に貝を入れるわけ」

「で、何?その貝」
「だから、もんず」
「で?」
「集めてんだよ」

「なぜ?」
「バイト」
「一人で?」
「いや。でも、みんな勝手にやってる」
「貝を集めて、どうすんの?」
「わかんないけど、集めてこいって」

「・・ねえ暑くない? 窓あけるよ」と祐子。
「ああ」と浩。

外の風は、だいぶ収まっていて、日差しが強く感じる。

「あ・・・ちょっとまてよ」と洋平。
「もんずって・・・確か・・・去年の夏頃・・・大通りのパレードでやってたよな。・・・もんず、だかって踊り」
「そうか?」と浩。
「やってたよ」と洋平。

「どんなの?」と祐子。
「歌もあった」と洋平。
「歌?」
「歌っていうか、踊りと歌」
「ほんと?」

「その歌と貝と関係あるの?」と祐子。
「や、俺しらない」と浩。
「バイトで集めてるだけだから」

「どこのバイトだよ?」と洋平。
「どこっていうか・・・行くたびごとに違ってさ」
「ほー」

「最近は、貝探しだな」
「派遣みたいなやつ?」
「そうそう。先週は引っ越しの手伝いとか」
「いろいろ行くの?」
「自分の都合で仕事選べる」

「でも、おまえ学生じゃないんだから」
「分かってるよ。だから卒業したっていっただろ」
「卒業って・・・」
「もう、あの会社のこと分かり尽くしちゃって」
「・・まあ、いろいろあるよな」

「充電期間中」
「芸能人かよ、おまえは」
「ねえねえ」と祐子。
「なに」と洋平。
「桜の花って急に咲くっけ」
「なにが?」

「いま、あの桜の花、急に咲いた」
「あの辺も、咲いてるじゃん」
「ってゆうか、つぼみが急に開いた」

「そういうのも、あるんじゃないの?」
「そうかなあ? 変だなあ? なんか不思議」


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